北欧絵本、子供と一緒に世界中の本を読もう

海外で読書を通じての日本語育児中。 また北欧の本を中心に、その他ジャンルや国を問わずお気に入りのことなどを個人的なエピソードと共にご紹介。
2007/07 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 

野いちご Smultronstallet (スウェーデン映画)

スウェーデンの巨匠イングマール・ベイルマン (Ingmar Bergman)、1957年の作品。 死の影に怯える老境に入った教授が、名誉博士授与の式典に、ストックホルムからルンドまでの道のりを車で向います。 (約10時間はかかるかなぁ。 昔のことだし。)

野いちご 野いちご
ヴィクトル・シェストレム (2001/07/25)
ハピネット
この商品の詳細を見る

その途中、子供の頃彼が住んでいた所、野いちごを摘んだ場所に立ち寄り、初恋に思いを馳せ、次々湧き出る過去の記憶に心を傾け、現実の道中には予想外の道連れが同乗し・・・ この映画のあらすじや賞賛は、至るところで見聞きする名作。

ところで、この映画のスウェーデン語の原題は、Smultronstället
Smultron (スムルトロン)とは、「野いちご」。 
Ställe (ステェーレ)とは、「場所」の意味。 
しかし、Smultronstället で「お気に入りの場所」という意味になるのです。 
それも、「誰にも知られたくない、自分だけの、ちょっとした秘密の場所」というニュアンスを持っています。

スムルトンは、野に生る小さなかわいらしい苺。 素朴ながら香りも味わいも高く、スウェーデン人はスムルトンが大好き。 そんな野いちごが生る場所を見つけたら、自分だけの秘密の場所にしておきたいですよね。 例えば、

smul1.jpg

こんな風に。

smul2.jpg

スウェーデン語の観光ガイドでも、"Smultronstället" という表記を目にします。 その場合、野いちごが摘める場所ではなく、その土地の観光名所。 ちょっとした他愛ない場所だけど、きっとあなたのお気に入りになりますよ、というスポット。

他の外国語に訳せないスウェーデン語なので、邦題は『野いちご』、英語タイトルも "Wild Strawberries" のようですが、原題には、実際老教授が野いちごを摘んだ場所だけでなく、その場所が、或いは追憶が、この長い道中が、彼にとってかけがいのない "Smultronstället" だという、二重の意味があるのです。


にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ FC2Blog Ranking


スポンサーリンク

関連記事

クルト・ヴァランダー警部シリーズ by Henning Mankell

スウェーデン南端、スコーネの南東に位置する町、Ystad (イースタ)は中世の街並みが残る小さな港町。 観光客で賑わう町でもありますが、Ystad をもっとも有名にしているのは、この人、イースタ警察の警部ヴァランダー。

と言っても、実際の人物ではなく、小説の中の主人公。 スウェーデンはもとより、世界各国でベストセラーの推理小説、ヘニング・マンケル (Henning Mankell) による、クルト・ヴァランダー (Kurt Wallander) 警部シリーズは、日本語訳も何冊も刊行されています。

殺人者の顔 (創元推理文庫)殺人者の顔 (創元推理文庫)
(2001/01)
ヘニング マンケル

商品詳細を見る


ヴァランダーは中年の中堅警部。 オペラ愛好家。 私生活ではだらしない面もありますが、仕事に向ける情熱は深く、昔気質のスウェーデン人。 でも最近、こんな片田舎で起こる凶悪事件に戸惑いも隠せません。

リガの犬たち (創元推理文庫)リガの犬たち (創元推理文庫)
(2003/04)
ヘニング マンケル

商品詳細を見る


実際、これほどドラマチックではなくても、スウェーデンの犯罪率は上がる一方で、凶悪犯罪も増えています。 人々が持つスウェーデンの安全神話を、覆す作品かも。

白い雌ライオン (創元推理文庫)白い雌ライオン (創元推理文庫)
(2004/09)
ヘニング マンケル

商品詳細を見る


首都や都市部のあくせくした雑踏の中ではなく、南部の田舎町だからこそ、浮き彫りにされる残虐性や、はっきり見えてくる問題、そして人間らしさがあります。

目くらましの道 上 (創元推理文庫)目くらましの道 上 (創元推理文庫)
(2007/02/10)
ヘニング・マンケル

商品詳細を見る


犯罪の舞台は、スウェーデンに止まらず、国境を越え、国際的な問題を含んでいる場合が多く、奥が深い。

目くらましの道 下 (創元推理文庫)目くらましの道 下 (創元推理文庫)
(2007/02/10)
ヘニング・マンケル

商品詳細を見る


落ち着いた語り、でもスリルに満ちた、そして深く重苦しい内容が多いですが、もちろんユーモアも忘れていません。 作者は、事件を追うことだけを目的とせず、その過程の状況説明から登場人物の心理描写まで、しっかり書いています。 だから、心を打たれる場面も多く、読み終わっても胸の奥に、何かが残る。 どれも読み応えのある作品です。

笑う男 (創元推理文庫)笑う男 (創元推理文庫)
(2005/09/30)
ヘニング・マンケル

商品詳細を見る


ヘニング・マンケルは作家としての経歴も長く、児童文学、戯曲、エイズ撲滅のための著書など数多く執筆していますが、刑事ヴァランダーは1997年にシリーズ1作目が登場して以来、毎年新作が発表され、そのたびに大ヒット。 TVドラマや映画も、数多く製作されています。 ロケ地はもちろん、Ystad。

wallander.jpg

原作や映画での、ヴァランダーの足跡をたどるマップが、観光案内所に置いてありますよ。

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ FC2Blog Ranking


スポンサーリンク

関連記事

 | HOME |  »

検索はこちらで


↓グーグルで検索↓
カスタム検索

↓ブログ内検索↓


スポンサーリンク



カテゴリー



プロフィール


Kanel

Author:Kanel
「Kanel」 とはスウェーデン語で、「シナモン」のこと。 写真はスウェーデン名物、Kanelsnäcka(シナモンロール)と、私の大好きなスウェーデンの絵本、Findusです。


メッセージ



タグ


タグのキーワードからも記事を検索できます。

リンドグレーン ムーミン スコーネ  ラーゲルレーヴ ブリクセン ニルス アラビア 切手 バック フィンランド ドイツ アルフォンス ワンダーブック Nordqvist ラーバン バウアー Bergman ベスコフ アンデルセン トムテ Findus デンマーク ピッピ リネン うんち ルイボス バーナビー警部 スウェーデン 刺繍 アルミニア レトロ クリスマス ロイヤルコペンハーゲン ジョン ホガナス サッシェ サシェ リッラン リンdグレーン パエトーン ミヤオ Tan Shaun マウス ぽこよ Bilibin ビリービン ホッツェンポロッツ 赤坂三好 えほん寄席 しばわんこ クリスマスシrール オペラ くるみ割り人形 リスベスツヴェルガー ヴァランダー リネア バムセ オースティン 復活祭 人形 古本屋 おがくず人形 Ottalia Adelborg ケイトグリーナウェイ 鉤針編み チロルテープ カフェマット クロス 


北欧絵本関連




RSSフィード



訪問してくださった方々