2月の風物詩 BOKREA
スウェーデンでは2月の下旬、大規模な、本(bok)のバーゲンセール(rea)が行われます。 スウェーデン全土の、あらゆる本屋で一斉に。 今年は2月27日だったのですが、大型書店では、日付が変わった夜中の12時にオープン! (大抵2時間ほどで閉め、また朝早く7時くらいに開けますが。) その様子は、毎年テレビニュースでも放映される、2月の風物詩なのです。
BOKREAが開催される数週間前には、書店のカタログが届きます。 セール対象となる本が、ジャンル別にカタログに載っていて、これを見ながら何を買うか、事前に決められるように。 人気がある本は、すぐに完売になる可能性もあるので、予約しておき、BOKREA開催後に取りに行くこともできます。 ![]() セール対象商品は、半額以下が当たり前! 物価の高いスウェーデンは、本の値段も高めなので、ありがたい。 辞典も安くなるので、買い時。 しかし、いろいろ買い求め、そのまま放置・・・なんてこともあるので、最近は冷静に、買い控えていますが。 |
ドナウの旅人 by 宮本輝
オーストリアの首都ウィーンを、小旅行で訪れました。 旅行前、ウィーンがちょっと舞台になっているということで、手にしたのは、「ドナウの旅人〈上〉 / 宮本 輝」。
この小説は、昭和58年11月15日から昭和60年5月28日まで、朝日新聞の夕刊に連載されていた、新聞小説です。 ヨーロッパという遠い外国、しかも東欧という未知の国々が舞台。 そして大人の恋愛や人間模様。 当時、毎日楽しみに、読みふけっていたものでした。
ドイツで5年間働き日本へ戻って来た麻沙子は、突然家を出た母絹子から、ドナウに沿って旅をするという手紙を受け取り、ドイツへ飛びます。 そこで昔のドイツ人の恋人シギィと再会し、17歳も年下の若い愛人長瀬と愛の逃避行を繰り広げる絹子を追いかけ、一緒に旅をすることに。 物語が俄然面白くなるのは、ウィーンを挟み、舞台が東欧となる下巻の方。 今はなき共産主義国での、不自由な旅行。 自由なき社会体制の中で、人間らしさを失わず生きる人々。 実は事業に失敗し、多額の借金を抱えている長瀬を、謎の日本人が追跡というサスペンスも盛り込まれ、多くの人々と触れ合い、助けられ、年齢も国籍も異なる2組の恋人たちの旅は、ドナウの終点、黒海まで続きます。 あらすじだけではつまらない、実際読んでこそ、この小説の醍醐味が分かります。 共産主義の描写は古いかも知れないけれど、今読むとかえって新鮮。 ちょっと甘い箇所や、現実のヨーロッパって、そーじゃないでしょー、とあきれる部分もありますが、それは小説、エンターテイメントということで、無視しときましょう。 私のウィーン旅行については、もうひとつのブログ『スウェーデンの四季』をご覧ください。 |
Swedish Folk Tales illustrated by John Bauer
夫が持っていた、「John Bauers Sagovärld (ジョン・バウアーのお話世界)」
![]() 毎年クリスマスになると、美しい挿絵が付いた、スウェーデンの昔話の本が発行されていたそうですが、なかでも一番人気はジョン・バウアーのイラスト。 この本は、1966年、Elsa Olenius により、それらの挿絵とお話、その他のジョン・バウアーのイラストを集め、編集された本の再版。 残念ながら、紙の質や印刷はあまり良くありません。 (1987年に、当時東ドイツだった Leipzig で印刷されたもの。 製本はしっかりしています。) でもジョン・バウアーの美しく神秘的な絵の数々と、エルサ・ベスコフをはじめ、スウェーデンの作家が執筆した民話は、じゅうぶん楽しめます。 (絵と文で200ページ以上。) ジョン・バウアーの繊細で幻想的なイラストを見ていると、時間がたつのも、今自分がどの世界にいるのかも、忘れてしまいそう。 下のイラストは、暗く淡い色彩が多いジョン・バウアーの絵の中で、ずいぶんはっきり、すっきりした色合いで、目を引きました。 なによりも、スウェーデンの自然以外なにものでもない、この風景! ジョン・バウアーは、スウェーデンの自然や空気、御伽噺の人物を、見事に描いた画家です。 ![]() ジョン・バウアーが、幼い息子のために描いた絵には、1917年クリスマス、という日付が・・・ それは、バウアー一家が乗った船が沈没する年の、一年前のクリスマス。 ![]() ほとんどの絵は、ページ全体、あるいは3/4を占めるカラー絵ですが、小さな白黒のイラストも、また味わいがあります。 ![]() "Swedish Folk Tales illustrated by John Bauer” という本が、エジンバラの出版社から、英訳で出ています。 内容的には、ジョン・バウアーのイラストとスウェーデンの民話で構成され、”John Bauers Sagovärld” とほぼ同じですが、こちらの本に載ってないイラストもあり、豪華。
関連ページ 『John Bauer (スウェーデンの画家、イラストレーター)』 |
John Bauer (スウェーデンの画家、イラストレーター)
壁に掛かっているのは、義母から譲り受けた(なんでも貰う私)、ジョン・バウアーの絵。 義母はジョン・バウアーのイラストが好きで、この額は、彼の絵を飾るため、わざわざ特注して作らせたそう。 (絵自体は印刷されたものなので、価値はありませんが、この額縁の方が価値あるかも!?)
![]() John Bauer (英語読みだと、ジョン・バウアー。 日本語でもそう表記されることが多いですが、スウェーデン語読みは、John が、ジョンではなく、「ヨン」という発音になります)は、スウェーデンを代表する画家であり、イラストレーターとして数多くの挿絵を手がけました。 1882年、スウェーデンの Jönköping (イィエンシェピング)生まれですが、父親は南ドイツ出身、母親はスウェーデン人。 (だからドイツ系の名前なんですね。) Jönköping は、ストックホルムとスウェーデン南端の間の、真ん中あたりに位置し、スウェーデンで2番目に大きな湖、Vättern のほとりにある町です。 スウェーデンの自然を愛した彼は、早くから絵の才能を発揮し、ストックホルムのロイヤル美術アカデミーで絵の勉強をしました。 本の挿絵、特にスウェーデンの民話などを手がけたものが成功し、有名に。 彼の幻想的で繊細な絵柄は、御伽噺を引き立てます。 本の挿絵画家としてでなく、もっと大きな作品を手がけたいという野望を持っていた、ジョン・バウアーですが、その夢は叶いませんでした。 1918年、バウアー35歳のとき、妻と2歳の息子と共に乗った船が、Vättern湖に沈み、誰一人助からなかったのです。 この絵は、ジョン・バウアーの作品の中でも、有名なもの。 ”Princess Tuvstar” (1913年) ![]() 彼が描く、御伽噺のお姫様のモデルは、彼の妻、Esther Ellquist であったそうです。 Esther とバウアーは、ストックホルムの学校で出会い、共に絵を学んだ仲でした。 |



















