ドナウの旅人 by 宮本輝
オーストリアの首都ウィーンを、小旅行で訪れました。 旅行前、ウィーンがちょっと舞台になっているということで、手にしたのは、「ドナウの旅人〈上〉 / 宮本 輝」。
この小説は、昭和58年11月15日から昭和60年5月28日まで、朝日新聞の夕刊に連載されていた、新聞小説です。 ヨーロッパという遠い外国、しかも東欧という未知の国々が舞台。 そして大人の恋愛や人間模様。 当時、毎日楽しみに、読みふけっていたものでした。
ドイツで5年間働き日本へ戻って来た麻沙子は、突然家を出た母絹子から、ドナウに沿って旅をするという手紙を受け取り、ドイツへ飛びます。 そこで昔のドイツ人の恋人シギィと再会し、17歳も年下の若い愛人長瀬と愛の逃避行を繰り広げる絹子を追いかけ、一緒に旅をすることに。 物語が俄然面白くなるのは、ウィーンを挟み、舞台が東欧となる下巻の方。 今はなき共産主義国での、不自由な旅行。 自由なき社会体制の中で、人間らしさを失わず生きる人々。 実は事業に失敗し、多額の借金を抱えている長瀬を、謎の日本人が追跡というサスペンスも盛り込まれ、多くの人々と触れ合い、助けられ、年齢も国籍も異なる2組の恋人たちの旅は、ドナウの終点、黒海まで続きます。 あらすじだけではつまらない、実際読んでこそ、この小説の醍醐味が分かります。 共産主義の描写は古いかも知れないけれど、今読むとかえって新鮮。 ちょっと甘い箇所や、現実のヨーロッパって、そーじゃないでしょー、とあきれる部分もありますが、それは小説、エンターテイメントということで、無視しときましょう。 私のウィーン旅行については、もうひとつのブログ『スウェーデンの四季』をご覧ください。 |
国際離婚 by 松尾寿子
絵本とも北欧とも、まったく関係ないですが、私の身に関する本・・・!? といっても、離婚を考えているわけではありません。 ただ、国際結婚に関する楽しくて素敵な話題より、離婚に関する話題からの方が、学ぶことが多く、「転ばぬ先の杖」というか、実用的かも。
本書は主に、外国人(ほとんどが欧米人)と結婚した日本人女性の実例で構成されています。 結婚後に、夫の実態に失望、夫の浮気、暴力、夫による子供の連れ去りという問題の発生と、離婚に至るまでの困難。 北欧人男性と結婚し、夫の国に移住したところ、言葉の問題もあり、「移民」として自尊心を失い、みじめな気持ちになる、日本人女性の例などは、私も体験していますよ〜。
しかし、この女性と私の根本的な違いは、妻を顧みない彼女の夫に比べ、私の夫は・・・ 妻に気遣いの毎日です。 この本には、外国人の夫に虐げられる弱い日本人妻、アジア人妻の例が挙げられていますが、私の場合・・・ 年下の純粋な夫を、アゴで使っている。 なんだか読んでいるうちに、自分の極悪妻ぶりが浮き彫りになり、冷や汗が出てきました。 実際私が目にするケースも、日本人の女の子に二股かけられていたスウェーデン人とか、愛の大きさは、お金と比例すると、当たり前のごとく思っている東アジア出身の女性とか。 東南アジア駐在日本人男性で、現地人妻が、幼子を夫の下に置き、夫のクレジットカードだけ持って逃げちゃった話も、聞いたなぁ。 ひとくちに「国際結婚」といえ、その結婚内容は千差万別。 しかし、異文化との共同生活、異国に移住、などの共通点から、共通の問題が生じるのも確か。 愛に国境はないけれど、二つの国と、それぞれの法律と社会が関わってくるという点で、「国際結婚」は、やっぱり特殊と言え、それゆえ離婚するときも、特殊性が出てきます。 一読しておくと、頼りになる一冊です。 |










