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北欧絵本

北欧の本や作家、イラストレーターを中心に、その他ジャンルや国を問わずお気に入りの書物や映画、身近なアンティークやハンドメイドのことなどを個人的なエピソードと共にご紹介。
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Ture Sventon, Privatdetektiv by Åke Holmberg

作者の Åke Holmberg (1907 – 1991) はスウェーデン人。 スウェーデンでは、児童文学作家として知られています。 もっとも有名なのは、この ”Ture Sventon” シリーズで、計9冊の本を書き、いくつかの文学賞も受賞しています。 ”Ture Sventon” は、本の他にも、挿絵を手がけた Sven Hemmel との漫画が出版され、映画やTVドラマにもなりました。 原作を読んだことはなくても、映像で親しんだ世代も。

Ture Sventon

『Ture Sventon, Privatdetektiv (トゥーレ・スベントン 私立探偵)』は、シリーズ第1作。 Ture Sventon は、我らが主人公、私立探偵の名前です。 本当は、Sture Svensson だったのですが、 s の発音ができないので、こう改名したとか。

ある日、ストックホルムの Sventon の事務所に、謎めいたオリエンタル人が絨毯を売りに来ます。 なんとこの絨毯、空飛ぶ魔法の絨毯! スウェーデン南部の大きな家に住む、平和に暮らす二人の老婦人のもとに、脅迫状が届きます。 そこで老婦人は、Sventon に助けを求め、Sventon は空飛ぶ絨毯で、悪党を捕まえようと・・・

あらすじだけ書くと他愛ないのですが、このお話が楽しいのは、ユーモラスな登場人物、ちょっとした小道具、夏の日の風景など、細部が光っているところ。 思わずクスクス笑みがこぼれます。 特に、この本が書かれた1940年代の終わり、のんびりした日常や善良な人々の、スウェーデンの描写が、たまらなく魅力的。

Sven Hemmel の挿絵も、味があって、このお話にピッタリ。 でも漫画の方は、いまいちなんだな〜。

スウェーデン語クラスの読書感想として、私はこの本をスウェーデン語の原書で読みました。 短いし、子供向けの本なので、読みやすいだろうと。 一昔風の言い回しやスラングなどありますが、分かりやすいスウェーデン語です。



ニルスのふしぎな旅 by セルマ・ラーゲルレーフ

今年、2006年は、ニルス生誕100周年。 つまり、『ニルスのふしぎな旅』が、スウェーデンの女流ノーベル賞作家、セルマ・ラーゲルレーヴ (Selma Lagerlöf1858--1940)により書かれ、出版され、100年です。

スウェーデン語の原題は、Nils Holgerssons underbara resa genom Sverige (ニルス・ホルガーソンの不思議なスウェーデン旅行)。 スウェーデン南端のスコーネ地方に住むニルスは、動物に悪さばかりする悪戯坊主。 そのゆえ、魔法の力で小さくされ、野生のガンの群れと共に、スウェーデン北端のラップランド地方まで旅するはめに。 ニルスは鳥の背中からスウェーデンの国土を見、スコーネに戻ってきます。 セルマ・ラーゲルレーフは、小学生がスウェーデンの地理を学ぶ為の物語を、という要請を受け、この本を執筆しました。

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それならば、スウェーデン人の誰もが、この本を読んだことあるのね!? と、夫に聞いてみると、「うーん、学校の教科書に抜粋されて載っていた箇所を、ちょっと読んだだけ」。 義母に聞いてみると、「うーん、学校の教科書に抜粋されて載っていた箇所を、ちょっと読んだくらいかしら」。 (義父はドイツ人なので、読んだことがない。) 

スウェーデン人なのに、『ニルスのふしぎな旅』を読破した人は、少ないよう。 それもそのはず、図書館で原書を手に取り、びっくり。 600ページもあるのです! 辞書並みの厚さ!! しかも100年前のスウェーデン語って、大人が読んでも難しいでしょう。 なので、子供向けに物語を短くしたもの、美しい挿絵の絵本など、色々なヴァージョンが出版されています。 他言語にも多く訳され、下の写真の絵本は、ドイツ語版。

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セルマ・ラーゲルレーフは、偉大なスウェーデン人作家で、現在彼女の肖像は、20SEK(スウェーデン・クローネ 約300円)紙幣に使われています。

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その裏側の絵柄は、ガチョウと共に空を飛ぶニルスです。
 
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彼女の他の作品は、大人を読者としたもので、暗くシリアスなものが多いですが、想像力に富み、スウェーデンの美しい自然、人間の持つ悲しさ、ちょっとしたユーモアなど、読んでいて胸を打たれます。 特に感情表現が苦手な昔のスウェーデン人の、抑えられ、でも滲み出てくる感情が、あますとこなく描かれ、素晴らしいものです。 そんな彼女の『ニルスのふしぎな旅』、実は私も読んだことがありません。 この機会に、ぜひ手に取りたいと思います。

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ニルスのふしぎな旅 (アニメ)&ニルスの故郷

「ニルスって、ペットのハムスターも一緒に小さくなって、旅するんだよねー」と夫に言うと、怪訝な顔。 「ハムスターなんて、出てこないよ」。 ええっ〜!?

ニルスの相棒ハムスターのキャロットは、日本製アニメのみに登場するキャラクター。 そして私は、『ニルスのふしぎな旅』を原作ではなく、アニメで知った世代。 確かNHKで80年代に放映していたと。 でも内容を全然覚えていないので、あまり見てなかったのかな。 ハムスターが出てくるのは、覚えているのですが・・・ 

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ところで私は、スウェーデンで、アニメ『ニルスのふしぎな旅』のDVDを見つけました! でもテレビ版ではなく、劇場版。 全編スウェーデン語。 ちょっと気になったけど、買わずに、でもやっぱり気になって、次にお店に行ったときはもう置いてなかった・・・ 日本のDVDの値段を見たら、ますます買っておけば良かったと、後悔。 スウェーデン語版のアニメでは、ニルスはスコーネ弁を喋っているのであろうか?

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『ニルスのふしぎな旅』の主人公、ニルス少年は、スウェーデン南端のスコーネ地方の農家で、ガチョウ番をしていました。 このスコーネ地方は、デンマークに近く、平らな地形で農業が盛ん。 自然や伝統など、他のスウェーデン地域と異なる部分が多くあり、言葉も、スコンスカ(スコーネ弁)と呼ばれる、ひどく訛ったスウェーデン語を喋ります。

原作者のセルマ・ラーゲルレーヴ (Selma Lagerlöf) は、一時このスコーネ地方に住んでいました。 また、ニルスの家と呼ばれる、100年以上も経つ古い農家がありましたが、なんと去年、放火にあって全焼してしまった! 今年はニルス生誕100周年。 何かイベントなどやっていないかと、ニルスの故郷(Skurupという町)に行ってみましたが、とっても小さな町で、土曜の午後でお店も図書館も閉まっていました。

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唯一、手に入ったニルス商品は、この「ニルス・ホルガーソンのお茶」。 町から離れた田舎のカフェで製造されているものが、ツーリストオフィスで販売されていたので、購入。 甘い香りのするフルーツティで、味も良く、気に入っています。(残りがもう少ない。) ニルス生誕100周年を記念して、製造販売したものらしいです。

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袋の裏には、「Skurup の町は、ニスル・ホルガーソン(1906―2006)を祝います」と書いてあるステッカーが貼ってありましたが、何もしてないじゃなーい! まぁ、スウェーデン(人)だから、しょうがないか。


Maria Gripe マリア・グリーペの訃報

昨日(2007年4月5日)、ニュースを見ていると、Maria Gripe の訃報が流れました。 マリア・グリーペは、スウェーデンの児童文学作家。 1923年7月25日生まれ。 54年のデビュー以来、38作品を発表し、29ヶ国語に訳されています。 国内外での賞も数多く受賞し、アンデルセン賞(74年)、アストレッド・リンドグレーン賞(72年)を受けています。

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日本で有名な作品は 『夜のパパ』 (Nattpappan 68年)でしょうか。 長く絶版になっていたものが、2004年に復刊されました。

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マリア グリーペ (2004/11)
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スウェーデン国内における彼女の人気と影響力は大きく、多くの子供たちが彼女の作品と共に育っています。 学校の読書感想の課題図書に指定されたり、夏休みの間、子供たち用にラジオで彼女の作品の朗読があったり。 映画やテレビドラマに、映像化された作品もあります。

後期の作品では、「幽霊」のようなものが出てきますが、彼女の作風は、ファンタジーではなく、リアリティーが強いものです。 子供にとっては、ちょっと怖くても、心のなかにしっくり収る。 大人が読んでも、しっかりした読後感を持てる。 雰囲気やムード作りの上手い作家。

彼女の夫、Harald Gripe はアーティストであり、Maria Gripe の作品の挿絵を多く手がけています。 手元に画像がないのですが、彼の絵が、すっごくいい! ちょっとユーモラスな、スウェーデンの古き良き時代を感じるイラスト。 (しかし夫によると、”Josefin”, ”Hugo” がキャラクターの作品は良いが、 ”Elvis” になると「社会民主党」色のスウェーデン社会になっちゃうんだそうです・・・)

これからスウェーデンの書店では、彼女の作品が回顧として並ぶかと思います。



「やかまし村」はスウェーデンに現存!

「彼女が住んでいるところは、まさにやかまし村の子どもたち / リンドグレーン、大塚 勇三 他、そのままのなのよ!」

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そう私に目を輝かせ話してくれたのは私の友人。 「彼女」とは、友人の親しい知人であるスウェーデン人女性で、今年生誕100周年をむかえるアストリッド・リンドグレーンと同郷、スモーランド Småland に住んでいるBさん。

その友人が日本から遊びに来て、私は友人と一緒にBさんを訪れることになり、素晴らしい自然と共に、素晴らしいBさんの人柄にも触れることになりました。 (これは遠く離れた近所の風景ですが、Bさんのお家はもっとステキで、まさに表紙の絵そのもの。)

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リンドグレーン作品集 やかまし村シリーズ 3冊セット / アストリッド リンドグレーンは、スモーランドの田舎に住む子供たちの何気ない日常を描いたもの。 しかしリンドグレーンの筆にかかると、そんな毎日がユーモアたっぷり、愛しいほど輝きます。

75歳になるBさんも、元気でユーモアがあり、滞在中はリンドグレーンの世界にいるような感じを覚えました。 友人はBさんに、『やかまし村の子供たち』のことを伝えたかったのですが、原題が分からず。 本屋に行って探したところ、スウェーデン語では "Alla vi barn i Bullerbbn" です。

追記
RENEさんのブログ『ハンドメイドなひととき』に、在日スウェーデン大使館でリンドグレーンの生誕100年を記念した「スウェーデン児童文学フェア」が行われたという記事があります。


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「Kanel」 とはスウェーデン語で、「シナモン」のこと。 写真はスウェーデン名物、Kanelsnäcka(シナモンロール)と、私の大好きなスウェーデンの絵本、Findusです。


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